あまり表に出てこなかった医局の実情

医師の資格を取得し研修医として働くと、多くは医局内のあらゆる面を肌で感じることになるはずです。
転職を考え始めている医師たちは、こうした医局の体制や環境、あるいは人間関係などに関して、嫌というほど体感しているのではないでしょうか。

昔から問題となっているこの医局というものには、当然メリットもあるのですが、その問題に関してはあまり表に出てこなかったという実情があります。
インターネットの普及によりそれが表に出てくるようになったのは、ごく最近のことでしょう。

転職をして医局から飛び出そうと考える医師が意外と少なくないという事情も、最近になって多くの人が認識できるようになってきています。

この「多くの人」の中には、もちろん医師も含まれます。
「医局内の人間関係や派閥問題に嫌気がさしたから転職する」とは、普通は口外できません。

「他に興味が見つかった」、「地元に恩返しがしたい」、「独立開業する」といった言葉で濁され、誰かに相談するにしても、とてもじゃありませんが医局の問題を転職の理由にすることはできなかったのです。

医局制度の問題点『人間関係や派閥問題』

ここからも、医局制度の問題点がうかがえます。
以前と比較すれば、新たな研修制度の導入などによって医局の影響力は減り、その体制そのものが揺らいできていますが、医局というものが依然強い力を持っていることは変わりなく、その中で巻き起こる人間関係や派閥問題は未だに残っている状態です。

日本の医療はそうした制度や体制によって発展してきた事実もあるため絶対悪とは言えないものの、これからはさらに改善や意識改革などが求められるでしょう。

ただ、それを待っているだけでは何も解決しません。
そもそも、すでに医局に在籍し働いている人は、そこから飛び出さない限りは、医局内のシステムや慣習に従うしかないはず。
それに耐え切れずに転職する人が山ほどいる、これが医師の転職事情であり、転職する医師の抱く「本当の理由」なのです。

医局を辞めたあとの事も考え、しっかりと将来のキャリアビジョンを持つ

医局を飛び出すことで、失うものもあるでしょう。
研究環境や研究設備、それらに関するあらゆる情報、多様な症例に触れる機会などは、転職先にもよりますが、転職によって薄まる懸念は捨て切れません。
おそらく、そうなるはずです。

最後は、どちらを優先させるかの選択になるのではないでしょうか。
それだけに、転職後のこともしっかりと考えた上で行動に出るべきです。

医局内でのさまざまなことに耐えられないという気持ちは転職の動機にはなり得ますが、それ一点だけで転職を決意し、将来やキャリアに関して一切のビジョンがなければ、転職に成功することは難しくなってしまうでしょう。